とにかく「陳述書」

2011 年 4 月 22 日 金曜日 投稿者:mituoka

 取引の途中で完済がある事案について過払い請求訴訟実務では、原告の「陳述書」が要求される場合が多いです

 また、最近の過払い訴訟は「調停」に付されるケースも増えていますが、その場合も予め陳述書を出しておくことが肝要です

 調停とは本来、法律的議論はさておき、和解に向けた話し合いが行われる場です

 しかし、過払い請求事件の調停は話合いが決裂するケースも想定されますので、すぐに結審して判決の言渡しができるよう、裁判所は原告・被告双方に予め争点についての主張を用意しておいてもらいたいのです

 以前も書いたとおり、「分断か一連か」が争点の事件では、「陳述書」が大きな武器となります

 ある裁判官は、陳述書には以下の事実を書くべきだと言います

 ①とりあえず一旦完済したが、それでも金に困っていたのですぐにまた借り始める
  かもしれないと思っていた
 ②第1取引終了後もカードを所持していた
 ③第1取引の完済を店頭で行った場合、店員から「また御利用ください」旨の言葉
  をもらった
 ④取引中断の間、電話やメールでの勧誘があった

 これにより、裁判官や調停委員は「一連計算」で算出された過払い金をベースに話合いを進めてくれるでしょう

 仮に話合いが決裂しても、もう一度裁判所に足を運ぶことなく「一連」での判決を得る可能性が高まります

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