熱血快男児を偲んで

2009 年 6 月 15 日 月曜日 投稿者:mituoka

プロレスラーの三沢光晴さんが亡くなったというニュースを見て驚き、「死ってのは突然やってくる。人間の命は儚いものだね」妻とそんなことを話していたのが昨夜。
今日の午後、若い女性から一本の電話が入った。そのかたのお父様は少し前まで居酒屋を経営なさっていた。娘さんも時々お店を手伝いに来ていた。
「ご無沙汰しております。マスターはお元気ですか?」
「えぇ、そのことなんですけど、実は・・父は1カ月前に突然亡くなったんです」
言葉を失ってしまった。

7~8年前、資格試験の予備校に通っていた時分、授業帰りに学校の隣にあった居酒屋に毎晩飲みに行っていた。学校に通っているのか、居酒屋に通っているのか、と揶揄されるほどだった。値段が安く、家庭的なおつまみが売りだったが、マスターは私たち受験生から「おつまみ」に関してはほとんどお金を取らなかった。2~3人で飲んで食べても千円前後ということも珍しくない。親分肌で、私たちの悩みも親身になって聞いてくれた。当時60歳前後だったと思うが若さと活力に満ちていた。そんなマスターが亡くなった、とはとても信じられない。

ある年の正月に新年会を店内で催してくれたことがあった。マスターが私たち大人数を招待してくれて、酒や食事を振舞う。さすがに手ぶらではお招きに預かれまいと、私とK君は新年会に向かう途中で手土産にお茶を買って持っていったところマスターに怒鳴られた。
「バカ野郎!どうしてこんなくだらねぇものを持ってきやがった!今日は俺がおめぇらを接待するんだ。今度こんな真似したら二度と呼ばねぇからな。わかったか!」
しかし、宴もたけなわになってきた数時間後、
「ありがとうよ。おめぇらの気持ちは嬉しかったぞ」と優しく言ってくれたっけ。

「そんなもん、俺に言わせりゃ・・」が口癖だったマスター。あの世でも怪気炎をあげているに違いない。
「マスター、こんなに早く亡くなるなんて、俺に言わせりゃ勝手すぎるよ。あまりに突然すぎる」
あなたのような熱血快男児が静岡にいたことを忘れません。ご冥福をお祈りいたします。

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