家賃滞納をブラックリスト化

2009 年 8 月 18 日 火曜日 投稿者:mituoka

 家賃保証会社が共同で家賃滞納に関する情報のデータベース(DB)化を進める社団法人を今月末に設立する。家賃滞納者のブラックリストをつくり、家賃を一度でも滞納してリストに載ってしまえば、その後の住まい探しが困難になる恐れがある。DB化は、家賃保証会社約40社でつくる「賃貸保証制度協議会」が19日にも方針を決め、31日までに「全国賃貸保証業協会」を発足させる。会員となる会社は、保証している入居者の滞納額など家賃支払い状況を登録。当初参加する15社の新規契約は年約120万件を想定。滞納の発生率は1割前後とされるため、年12万件の滞納情報が蓄積される見込みだ。保証会社が今後契約する分が対象で、入居者の同意を得て登録する。更新契約も対象になる。ただ、立場の弱い入居者が契約時に登録を拒むことは実際は難しいとみられる。明け渡し訴訟の情報は過去のデータも記録される。業界側は、家賃をきちんと払っている入居者の信用力を高め、職業や年齢、国籍などを理由に門前払いされるケースを防止できると強調している。ただ一時的な家賃滞納でも、いったんDBに載れば、常習者と同様に賃貸住宅を借りにくくなる可能性がある。生活困窮者のアパート入居の際の連帯保証人になっているNPO法人「自立生活サポートセンター・もやい」の湯浅誠事務局長は「業者から一方的に『悪質』と認定され、ホームレスになる人が増える恐れがある。雇用政策や福祉対策も考えないと、社会を不安定にする要素がさらに増えてしまう」と批判する(朝日新聞8月15日より)。

 実際、私も家賃滞納に関して大家さんからも借主側からもご相談をいただくことが多いですし、中には訴訟に至るケースもある。記事にも指摘があるように、このDB化には様々な問題点があります。借主側の保護、という観点にやや欠ける。運用には慎重な配慮が必要だと思います。

【8月20日追記】
今日付の朝日新聞によると、データベース化は一時見送られることが決定したそうです。

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