特定調停を経た後の過払い請求訴訟
2011 年 3 月 1 日 火曜日 投稿者:mituoka最近の特定調停では決定書に
「申立人の相手方に対する債務が存在しないことを相互に確認する」
という文言が入っている(静岡簡裁の特定調停の場合)
言い換えれば、「債権が存在しない」とは書いていない
つまり、過払い請求権は存続するということになる
以前は「債権債務が存在しない」旨の文章だったため、その後の過払い請求に大きな支障が生じることも多かったが、過払い請求が社会現象化している情勢に応じ、裁判所はより慎重に対応するようになったのだろう
いわば裁判所のファインプレーだ
さらには、調停の席で調停委員が
「過払い金が発生しているから、専門家に依頼してでも取り戻したほうがいいよ」
とアドバイスしてくれることもあるらしい
そうした調停委員の言葉に励まされ、特定調停後に過払い請求訴訟を起こす人が増えている
Aさんもその一人
まずはE社から、見事に過払い金の満額返還を勝ち取った
そしてもう1社、C社に対する訴訟は係属中
C社との取引は途中、3年強の空白期間があり、相手方から「分断」の主張がなされる可能性が高い
しかし、調停委員はその点も見越したうえで、調停の席においてC社担当者から次の事実を聞き出してくれたらしい
①第1取引終了時に契約書の返還はなく、カード失効手続もされていない
②第2取引開始時の契約は単に「カード再発行契約」に過ぎなかった
「だから、これは一連の計算が認められるはずだよ」
Aさんにそう言ったという
途中完済の事実だけをもって、「分断」だの「時効」だのを主張する業者が多いが、本件は間違いなく「一連」といえるだろう
依頼人も私も、調停委員に対して感謝の気持ちでいっぱいだ
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