現に居住していなくても「居住用建物」 個人民事再生

2011 年 12 月 6 日 火曜日 投稿者:mituoka

 多重債務に苦しんでいるかたが、どうしても住宅を手放したくない場合に(当然手放したくはないだろうが)、個人民事再生(住宅資金特別条項)を利用したいとお考えになる。この場合、いくつかの法定要件を満たす必要がある。

 要件のひとつとして、住宅は「居住用の建物」でなければならないとされている。正確にいえば、民事再生法には「個人である再生債務者が所有し、自己の居住の用に供する建物」と書かれている。

 現に住んでいる建物ならば、文句なく「居住の用に供する建物」であるが、現に住んでいない建物であっても、「居住の用に供する」として、民事再生法の適用を受けられる場合もある。

 今日は、Aさんの個人民事再生事件について紹介する。

【生活状況・借金状況など】

 平成6年、Aさんは、B県内に住宅ローンを利用しマイホームを購入した
 平成15年頃から転勤により、各地を転々としている

 平成15年頃からマイホームは他人に賃貸し、
 数年前から静岡県内のアパートに家族全員で暮らしている

 住宅ローンの残債は約850万円
 土地・建物には住宅ローンの担保が付いている

 消費者金融等からの借金は約900万円(10社)あり、
 毎月の返済合計額は25万円を超えていた(住宅ローンを除く)

【裁判所へ上申書による釈明】

 普通に考えれば「居住の用に供する」建物とは言い難いケースだろう。

 マイホームを離れて8年以上が経過し、なお且つ、マイホームに戻る時期も確定していないのだから・・・。

 やはり、当初、裁判所も難色を示した。

 しかし、Aさんは、近い将来、故郷・B県に家族全員で戻りたい意思がある。

 逆に言えば、そうでければ、とうの昔に土地・建物を売り払い、借金返済に充てていたはずだ。

 また、Aさんの勤務するC社は、Aさんが希望を出せば転勤に応じる姿勢を示している。

 広い意味で「居住の用に供する」建物といえるはず。

 これらの事情につき、何通もの上申書を使って裁判所に説明し、なんとか再生計画の認可決定を得ることができた。

 ちなみに、消費者金融等からの借金は約180万円に縮減された。

 毎月約3万円を5年間返済し続ければ、住宅ローンを除く借金は帳消しになる。

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