市民税滞納で非情な差押
2012 年 6 月 1 日 金曜日 投稿者:mituoka佐藤さん(仮名)が、当事務所にやってきた
「市民税を滞納していたら給料が全額差押えられたんです。困りました・・・」
「給料はいくらだったんですか?」
「だいたい35万円です」
「滞納額は?」
「40万円ほどです」
生活費・ローンの支払い等を毎月そこから工面しているという
困るのは当然だが、給料を全額差押えることなどできないはず・・・
市民税の差押えは地方税法第331条を根拠とするが、
差押禁止額については国税徴収法第76条が適用される
(民事執行法152条ではない)
国税徴収法第76条はやや複雑な条文なので詳細は割愛させてもらうが、
佐藤さんの給料のうち差押可能な金額は約6~7万円前後のはずだ
すぐにS市役所に電話を入れた
担当者によれば、S市が差し押さえたのは「給料」ではなく、
正確には「請負代金請求権」であるとのこと
すぐに本人に事実を確かめてみた
たしかに佐藤さんはサラリーマンでなく、いわゆる個人事業主で、
ある元請け業者から専属的に仕事を受注し(他業者からは一切受注していない)、
その対価として、毎月、元請け業者から「請負代金」をもらっていたという
S市はそれを差し押さえたというのだ
「給料じゃないんだから当然、全額の差押ができます」とS市の担当者
たしかに、そりゃそうだが・・・
唯一の生活の種である点、
毎月決まった時期にほぼ一定額(35万円前後)が支払われる点において、
両者の性質はほぼ同じ
佐藤さんがこれを「請負代金」ではなく「給料」と認識していたのも無理はない
S市の対応はあまりにも杓子定規なものだ
「そう言われても、うちは違法なことをやっているわけではありません」
一昔前、個人事業主は富裕層と認識されていたようだが、現状は違う
法を改正すべきではなかろうか
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