バンブーメモリー
2012 年 10 月 10 日 水曜日 投稿者:mituoka平成元年のマイル ・チャンピオンシップ(GⅠ)
単枠指定の2頭が、期待通りの名勝負を見せてくれた
その2頭とは、あのオグリキャップと、ここに紹介するバンブーメモリーである
オグリ大好き人間の私にとって、武豊とバンブーメモリーのコンビは、
「敵」以外の何物でもなかった
京都の直線、バンブーメモリーが抜群の瞬発力でオグリを一気に引き離し、
2馬身以上の差が開いた時点では、さしものオグリ信者たちも白旗を上げたはず
(武豊も勝ったと思ったそうだ)
しかしオグリはそこから、あの伝説的な追い込みを見せるのだが、
束の間とはいえ、オグリを置き去りにしたバンブーメモリーの瞬発力は、
さすがだった
もうひとつ、オグリとの関係で忘れてはならないことがある
バンブーメモリーもオグリと同様に、
その翌週のジャパンカップに連闘で臨んでいた点だ
マイルCS ⇒ ジャパンCの連闘は、完全にオグリの代名詞でもあるし、
フジテレビ(大川和彦アナ)によるジャパンカップのレース実況放送中に、
バンブーメモリーの名が一度も呼ばれていないこともあって(※)、
彼の「連闘」は、忘れ去られている感がある
(※レースが殺人的なハイペースで進んだこともあり、大川アナにしてみれば、後方から追走していたバンブーメモリーたちを紹介するには時間が足りなかったのだろう)
しかし、バンブーメモリーはオグリと共に、凱旋門賞馬(キャロルハウス)、
世界レコードホルダー(ホークスター)をはじめとする強力な外国馬に、
玉砕覚悟で立ち向かっていった日本勢の一員だった
そういう意味では、オグリのライバルというより、むしろ戦友ともいえる
バンブーメモリーは今、北海道浦河のバンブー牧場で余生を過ごす
オグリと同級生の27歳(人間で言えば、90歳前後か)
バンブーメモリーは現役時代、
平成元年の安田記念、平成2年のスプリンターズSを勝った
後方待機から最後の直線、弾むように駆け抜けるレース振りが特徴
特に平成2年のスプリンターズSでは、1分7秒8の日本レコードを樹立
日本のサラブレッドとして、はじめて1分8秒の壁を破った
バンブーメモリーはまさに「スプリンター」といえよう
スプリンターらしく筋肉隆々
ベン ・ジョンソンのような体型が印象的だった
歳を取っても、その面影は残っていて、27歳とは思えぬ若さを保っている
とはいえ、秋の陽に気持ちよさそうに目を細める表情は、
さすがに「おじいちゃん」といった風情がある
入口にほど近い放牧地で、
訪れてきた人たちを出迎える役目を担うバンブーメモリー
今もなお、名門バンブー牧場の「看板馬」だ
(追記)
バンブーメモリーは「出迎え」だけじゃなく、
遠ざかる私をずっと「見送って」もくれていた(写真上)
おいおい、そんなことされちゃ、帰れなくなっちゃうじゃないか・・・
メモリーよ、お互い長生きしよう
また会おうな