19年越しのダービー制覇 横山典弘騎手

2009 年 6 月 1 日 月曜日 投稿者:mituoka

メジロライアン。横山典弘ジョッキーにとって特別な思い入れがある馬に違いない。平成2年の日本ダービー、少年の面影を残した若き横山はライアンを完璧に乗りこなし見事に1番人気の重責を全うした。ダービーの栄光は彼とライアンに輝くはずだった。しかし彼らの前にただ1頭、圧倒的なスピードでゴール板を駆け抜けた馬がいた。アイネスフウジン。まさに「風神」。明るいレジャー産業となった競馬新時代を象徴する「中野コール」を横山はどんな思いで聞いていたのだろうか。

あれから19年、ファンは横山がダービーを勝つことはないだろうと思い始めていた。悪いことにロジユニヴァースは前走を大敗している。今年も横山がダービーを勝つことはない。

しかし栄冠は突然にやってきた。女神は気まぐれだ。最後の直線、他馬を突き放し完全に抜け出しながらも彼は気を緩めることなくロジユニヴァースを駆った。おそらく彼の目にはさらに先を走るアイネスフウジンが映っていたのだろう。ゼンノロブロイでも、ハーツクライでも捕らえられなかった「風神」を19年越しについに差し切った、そこがゴールだったはずだ。「中野コール」は「横山コール」に代わった。

2つの世紀をまたにかけたアイネスフウジンの逃亡劇は終焉をむかえた。今は亡きアイネスフウジンもこれでようやく天国で安らかに暮らせるだろう。ライアンは種牡馬を引退後、現世で隠居生活を楽しんでいる。しかし、横山の騎手生活はこれからも続く。

同世代として、とても嬉しいダービー初制覇でした。

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