知る楽 歴史は眠らない

2009 年 10 月 21 日 水曜日 投稿者:mituoka

 昨夜午後10時頃からNHKテレビで放送された「知る楽 歴史は眠らない ニッポン借金事情」。

 江戸時代に幕府の方針が「借り手保護」から「貸し手保護」に転換された事情についての話だった。

 1643年の「田畑永代売買禁止令」により田や畑は永久に売買を禁じられていた。しかし、農民が田畑を高利の借金の担保に質入し農民以外の手に渡っていく事態を重く見た幕府は「質流れ地禁止令」を発布した(1721年)。

 しかし社会の実情に合わないこの政策は大きな混乱を招き、幕府は発布から僅か一年でそれを撤回。その後、「貸し手保護」の政策は現在に至るまで続いている、とテレビは語っていた。

 一方、借り手本位の貸金業を一貫して営んだのは酒田の本間氏。当時としては格安の1割の利息での貸し出し。飢饉が起きて民衆の生活状態が悪化した折には利息を5分に引き下げたらしい。金儲けよりも人助けをモットーとする本間家は他の高利貸しが踏み倒し等で困窮していく中、長い間栄華を極めたという。

 なかなか興味深い話だった。

 現代に目を向けてみれば・・・

 高金利で市民を苦しめてきた多くの消費者金融会社が、過払い金返還請求により経営の危機に瀕している。

 ここ数年の間、最高裁からグレーゾーン金利の有効性を否定する判決が相次いで出た。そして改正化資金業法が制定されるなど「貸し手保護」ではなく「借り手保護」に偏重してきた感がある。しかしこの構造がいつまた逆転するか、余談は許されない。

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