「過払い」以外の裁判 明渡し請求
2010 年 1 月 14 日 木曜日 投稿者:mituokaこのところ、消費者金融会社相手のいわゆる「過払い請求」の裁判ばかりやっているが、裁判は「過払い」だけではない。
家賃不払いによる家屋明渡し請求、不法行為に基づく損害賠償請求なども扱った。
駐車場の明渡し請求事件の原告代理人を務めたことがあったが、そのとき、私は初めて「証人尋問」を経験した。
10年ほど前に駐車場契約をした原告と被告。数年ほどしてから被告は行方不明になった。被告の車はずっと放置されたまま。原告としてが早く車を撤去し、新しい契約者を見つけて家計の足しにしたいと考えていた。
裁判で決着をはかることにしたが、重要な証拠となる「契約書」がない。
通常の民事訴訟では書類が重要な証拠となるので困った。
これを補うため原告の本人尋問を行おうとしたが、本人は口頭弁論期日直前に体調を崩し入院。
そこで原告の奥さんを証人として「証人尋問」を行った。
証拠となる書類を「書証」といい、証人尋問は「人証」という。
「人証」は、「書証」に比べ証拠力としては落ちる場合がある。
しかも、本件の証人は原告の奥さんだ。客観性・信憑性に欠けると思われる可能性もある。
尋問事項については慎重に練り上げた。
せっかく法廷に来てくれるのだから無駄にはしたくない。
奥さんは原告よりもはるかに詳しく本件駐車場契約について記憶していたので助かった。
どこの家でも奥さんが財布のひもを握っているので当然といえば当然か。
この証人尋問は証拠として充分な効果を挙げ、勝訴判決を得ることができた。
証人尋問を経験した代理人司法書士は少ないのではないだろうか。
貴重な経験でした。