丸和商事との過払い訴訟 残高ゼロ計算

2010 年 3 月 4 日 木曜日 投稿者:mituoka

 午前10時から静岡地裁で丸和商事と過払い訴訟。今日が3回目の口頭弁論

 この裁判の争点は2つ
  ①取引の分断
  ②残高ゼロの計算

 ①については、第1取引が平成11年9月で終了し、第2取引がその3年半後に再開されていることにつき、いわゆる「一連計算」が認められるか否か。

 当方が作成した準備書面において、平成20年1月18日判決を引用し、取引が「事実上」ひとつの連続した取引であることを主張した。今日の裁判の感触からして、一連計算が認められそうだった。

 また、被告丸和商事は準備書面において、「分断」とあわせて「第1取引の時効消滅」を主張してきたが、この準備書面が当事務所に届いたのは第3口頭弁論前日(昨日)の午後5時。1月に提出された被告答弁書においては、分断の主張はされていたが、第1取引について過払い金60数万が発生していることを認めている。当方は、あわてて準備書面を作成し、仮に「分断」が認められたとしても、答弁書で「債務の承認」をしているので時効援用は許されるものではないし、これは「時機に遅れた攻撃防御方法」として却下されるべきだと反論した。

 ②は、被告丸和商事が出してきた取引記録が平成5年4月30日の返済から始まっていることから、同日の残高を無視した原告側の計算方法について。

 これはやや分が悪いか・・・。私が作成した訴状においては、残高の存在については被告に立証責任がある旨を主張した。しかし、裁判長は「残高ゼロ計算を認めるとすれば、平成5年4月30日以前の取引状態について原告側に立証してもらう必要がある」とおっしゃった。
 
 残高ゼロ計算については、最高裁判例によって確立されているわけではなく、裁判所によって様々な扱いがあるようだ。原告は同日以前の取引の存在を示す証拠となる書類を持っていない。そうした場合、いつ頃から借金が始まり、毎月いくらぐらいを返済していたか、具体的に示す(いわゆる推定計算)必要があるようだ。また、借り始めた当初の生活状態等も示してくれ、とのことだった。借入していたと判断して然るべき、ということを立証せよということだろう。
 
 ただ単に原告の記憶を辿って陳述書を提出するだけではなく、なんらかの間接証拠がない限り、本件に関してゼロ計算の主張は難しいような気がした。

 今日は原告本人のほか、被告丸和商事の支配人も出廷してきた。原告は、訴訟外の和解に応じるつもりがないため被告も必死だ。

 次回の口頭弁論期日は4月15日となった。

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