和解に代わる決定 という便利な制度についてお話します
簡単に言えば、裁判所(簡易裁判所に限る)が 「〇月×日までに△円支払え」といった感じの決定を出し、それに対して、2週間以内に相手方が異議の申立をしなかった場合に和解が成立したとみなす制度です
過払い請求で、口頭弁論期日外で被告と話しがまとまったときによく利用してます
和解に代わる決定のメリットは、「債務名義」となることです
要するに、相手方が和解に代わる決定に従った支払いをしない場合には「判決」を得ているときと同様、強制執行を行うことができるわけです
もうひとつのメリットは、手続きが比較的簡単である点です
過払い訴訟の実務では、まず、相手方(被告)が裁判所に上申書を提出します
その内容は①原告側(私)と期日外で話がまとまったこと②解決金の額③支払い方法④支払い期日などです
一方、私は裁判所に何の書面も提出しません(どちらが上申書を提出しても構わないのですが、通常は被告に提出してもらいます※)
それ以降の流れは、各裁判所(あるいは担当裁判官)によって多少運用の仕方が違うので注意が必要です
たとえば、第1回口頭弁論期日を経た後に期日外で相手方と話がまとまり上申書が提出されたとして、A簡裁では「第2回期日を開く必要がない」という扱いをしてくれるけど、B簡裁では「第2回期日を経ないとダメだ」とされる場合があります
つまり、A簡裁では弁論期日は中止扱いとなるので出廷する手間が省けますが、B簡裁には予定通り出向かなくてはなりません
運用の仕方が各簡易裁判所(裁判官)に任されているから、このような差が出るのでしょう
近くの簡裁ならともかく、遠方の簡裁の場合には期日外で(弁論期日を開かずに)決定をいただけると助かります
静岡県内では、たしか清水簡裁や浜松簡裁、島田簡裁などではその「期日外決定」をしてもらえます
しかし、どの簡裁にも共通して言えることは、第1回期日前に話がついている場合に和解に代わる決定を得ようとするならば、原告あるいは被告のどちらか一方は必ず第1回期日に出廷しなければいけません
結局、どの段階で話がまとまろうが、少なくとも1回は期日を経る必要がある、ということです
さて、上述のとおり和解に代わる決定は、2週間以内に相手方が異議を申し立てれば効力を失いますが、そもそも期日外で話がまとまっているのですから、「決定」が出されたと同時に「和解」が得られたと言っていいでしょう
地裁においては、「和解に代わる決定」は導入されていません
似たような制度として「受諾和解」がありますが、和解に代わる決定に比べ手続きは少し面倒ですし時間もかかります
ある弁護士さんのブログに、「地裁においても和解に代わる決定が導入されたらとても便利になのに・・」と書いてありましたがまったく同感です
※上申書についてですが、ごく稀に、「被告側からの上申書でないと不可」とする裁判所もあります。お気を付けください。
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