平成22年11月1日から施行された静岡県司法書士会の「債務整理事件の処理に関する規則」
その第9条は、原則として2回の直接面談(受任時と方針決定時)を要請している。
第9条(方針決定時の面談)
会員は、債務整理事件の受任時に行われた面談において方針を決定した場合を除き、当該債務整理事件の方針を決定する時にも、委任者又はその法定代理人と面談をしなければならない。
なぜこのような規則が制定されたのか?
通常、債務整理事件が終了するまでに要する期間は、司法書士(または弁護士)が受任してから数か月以上(長い場合には1年以上)に渡る。
その間、依頼者がリストラに遭い職を失う場合も有り得るし、病気等により医療費がかさんだ上に長期休暇を取らざるを得ず収入が無くなってしまうケースなども想定できる。
つまり、司法書士等が受任の際に把握した依頼者の家計状況等が、数ヵ月後の最終的な方針決定のとき(各社と和解するとき等)には、大きく変化している可能性もあるのだ。
たとえば、任意整理の予定が、引き直し計算によっても債務額が思ったより減らず(または各社との和解交渉が決裂し)、依頼者本人の経済状況も悪化したため、自己破産を選択せざるを得なくなった、という事件も実際に数多く存在する。
(債務整理という事件は、受任時に確定的な方針決定を行うべきではない代物かもしれない)。
こうした場合には、もう一度面談して事情を伝え、方向転換の最終的な意思確認をするのが当然だろう。電話一本で済むことではない。
最近、都市部の司法書士等が地方各地で出張相談を行っているらしい。相談を受けたと同時に受任する形態だろう。なるほど、一応「直接」面談の体裁は整う。
(飛行機・新幹線代を自己負担してまで受任したいほど、債務整理は儲かる「ビジネス」なのだ)
しかし、多忙な彼らに「2度目の面談」を期待するのは酷であろう。果たして的確な債務整理が行われているのか、はなはだ疑問である。
債務整理事件について、司法書士等に対する苦情が全国的に増加しているのは、「2度目の面談」が行われていないことにも起因しているのではないか?
私の事務所も、遠方から依頼のお電話を頂戴することがある。インターネットの威力を感じると同時に、とてもありがたいことと感激する。
しかし、私は出張面談は行っていない。上記の条件を満たさない限り(2回の直接面談が可能なら受任させていただくが、ほとんどの場合は不可能)、断腸の思いで依頼をお断り申し上げている。
債務整理は、お近くの専門家に依頼なさることをお薦めする。
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☆司法書士法人 静岡 (旧 三岡司法書士事務所) ・ 静岡市葵区二番町