‘オグリキャップ・ミンナノアイドル他’ カテゴリーのアーカイブ

サクラバクシンオーの思い出

2011 年 5 月 13 日 金曜日 投稿者:mituoka

 4月30日にサクラバクシンオーが死亡しました

 競走生活でも、種牡馬としても大活躍した名馬でした

 今日はバクシンオーの思い出を書きます

 平成4年1月末、私は親友 K君と一緒に中山競馬場に足を運びました

 当日は重賞のアメリカン・ジョッキーズ・クラブ・カップ(AJC杯)が開催予定

 私もAJC杯には当然注目しておりまして、中でも復活に賭けるメジロライアンに期待しておりました

 でも、AJC杯と同じくらい、いや、あるいはそれ以上のお目当ては第9レースの黒竹賞

 そこに出走するのが、デビュー2走目となるサクラバクシンオー!

 さびしがり屋の私は一人で競馬場に行くのがイヤなので(笑)、

 「未来のG1ホースを見に行こう!

 を口説き文句に、K君を中山に誘い出すことに成功したのです

 サクラバクシンオーの母は、メジロライアンの父アンバーシャダイの全妹

 そして父はサクラユタカオー

 バクシンオーは同月上旬にダート1200Mでデビューし見事に勝利しましたのですが、まさにその翌日、やはりサクラユタカオーを父に持つサクラセカイオーが芝1600Mのデビュー戦を圧勝

 両馬の手綱を取る小島太騎手は

 「バクシンオーよりもセカイオーのほうが強い」 みたいな発言をしておりました

 しかしバクシンオーのデビュー戦をテレビで見て、これは超大物!と思った私は、黒竹賞のパドックで、「未来のG1ホース」が徘徊する姿を何枚もカメラに収めました

 その黒竹賞は芝1600Mのマイル戦

 今にして思えばバクシンオーにとって1ハロン長い距離ですが500万条件ですし、上記の血統背景もあるので、ここは圧勝してくれるはずと期待しておりました

 最終コーナーを回ってバクシンオーが他馬を大きく引き離し、「それ見たことか!」 と喜んでいたら、ラスト1ハロンあたりで急激に失速・・・

 外から飛んできたマイネルムートにゴール寸前で差され2着に敗退

 K君に 「おい、お前。これって本当に大物なのか?

 と尋ねられ、まるで立つ瀬がない、恥ずかしい思いをしました(笑)

 でも、その後の活躍はみなさん御存じのとおり

 中でも引退レースとなったスプリンターズSでの圧倒的な強さは、史上最強スプリンターの名に相応しいものがありました

 バクシンオー死亡の8日後、遺児グランプリボスがNHKマイルカップに勝利!

 最後の最後に、サクラバクシンオーはマイルのG1ホースを残してくれました

 バクシンオーの冥福と、グランプリボスの今後の活躍を祈ります 

血が騒ぐ

2011 年 4 月 18 日 月曜日 投稿者:mituoka

 桜花賞はディープインパクトの仔・マルセリーナが優勝

 初年度産駒からクラシック馬を出したディープは本当に大したものだが、改めて恐れ入るのは種牡馬サンデーサイレンスの凄さである

 サンデーが輩出したG1馬は実に43頭 (!)

 また、サンデーの仔(後継種牡馬)のうち、G1馬を輩出したのはディープ以外に  フジキセキ、ダンスインザダーク、スペシャルウィーク、アドマイヤベガ、アグネスタキオン、マンハッタンカフェ、ゴールドアリュール、ステイゴールド、ネオユニヴァース、ゼンノロブロイがいる(合計11頭!思いつくまま挙げてみたが、これでもまだ漏れがあるかもしれない)

 ここで、サンデーが現れる前の「王者」ノーザンテーストを引き合いに出してみる

 彼が輩出したG1馬は7頭

 後継種牡馬でG1馬を輩出したのはアンバーシャダイ、ダイナガリバーの2頭

 ノーザンテーストが日本の歴史を塗り替えた大種牡馬であることに異論はないが、数字の比較においてはサンデーに圧倒される

 さびしいことに昨年(平成22年)、マチカネタンホイザの種牡馬引退によりノーザンテースト系は日本から完全に姿を消した

 これとは対照的にやはり昨年、フジキセキの仔・ダイタクリーヴァ(つまりサンデーの孫)が重賞ウイナーを輩出し、何代に渡っても威力を発揮し続けるサンデーの強い遺伝性を思い知らされた

 一方、繁殖牝馬の数でもサンデー系が圧倒し始めている状況から、近親配合を嫌う生産界においてサンデー系種牡馬が敬遠される傾向も現出しているらしいが、それでも王座は当分安泰だろう

 さて今週の皐月賞

 本命は前哨戦の弥生賞を制したサダムパテック(フジキセキの仔)

 その他にも、ハーツクライ・マンハッタンカフェ・ステイゴールド・アグネスタキオンらの仔が有力馬として出走予定

 勝つのは、やっぱりサンデー系か

 ちなみに皐月賞が東京競馬場で行われるのは、昭和63年以来(ヤエノムテキ)

 あのときの皐月賞はスーパースター・オグリキャップが出走できなかったレースとして人々の記憶に残るわけだが、その翌年、アメリカにもヒーローが登場した

 それが、宿命のライバル・イージーゴーアとの死闘の末に北米クラシック2冠を制し、全米のアイドルとなるサンデーサイレンスだった

 オグリキャップとサンデーサイレンス

 血統的には優れていないが競走成績は抜群に優秀だったこと、強力な好敵手に恵まれ幾度となく名勝負を繰り広げたこと、平成3年に揃って日本で種牡馬デビューしたことなど、両馬には共通点が多い

 ただひとつ違うのは、オグリキャップが種牡馬として失敗に終わったのに対し、サンデーサイレンスは上述のとおり破格の大成功を収めた点だ

楽しみな芦毛の怪物 レーブディソール

2011 年 3 月 7 日 月曜日 投稿者:mituoka

 土曜日に行われたチューリップ賞

 圧倒的一番人気に支持されたレーブディソールが圧勝

 一ヶ月後の本番・桜花賞が楽しみになりました

 いつものように後方からレースを進めたレーブディソール

 楽な手ごたえで4コーナーを回りながら徐々に進出

 その後も福永騎手は一切手を動かさずにゴールでは4馬身差を付けました

 2着のライステラスだって昨年末のG1(ジュベナイルフィリーズ)で3着した実力馬ですから、レーブディソールの恐るべき実力は推して知るべし、という感じです

 レーブディソールの母の父Highest Honor(ハイエストオナー)はフランスで活躍した馬で、現役時代の勝ち鞍は中距離(マイル前後)に集中しています

 また、レーブディソールの父アグネスタキオンも日本を代表する中距離血統

 オークスになると話は別ですが、桜花賞では文句なしの大本命ということになりましょう

 「後ろからは なんにも来ない!」

 杉本清アナの名実況でおなじみ、桜花賞史上の伝説となっているテスコガビー(昭和50年)のような大楽勝が見られるか

 久しぶりに登場した「芦毛の怪物」に期待します

あの日 あのとき あの場所で

2011 年 2 月 9 日 水曜日 投稿者:mituoka

 ある事件の依頼者と雑談する機会があった

 話題の中心はズバリ、オグリキャップである

 彼はこのブログを読んでくれているらしいが、

 特に、競馬に関する記事を楽しみにしているという

 そんな彼に私は、最近は仕事の話題ばかりで申し訳ない、と謝った(笑)

 話をしていてわかったのだが、

 彼は平成2年12月23日、中山競馬場にいたことが判明!

 その数日後に放送開始されたドラマ「東京ラブストーリー」の有名な主題歌のワンフレーズを引用すれば、つまり、

 「あの日 あのとき あの場所で」 彼はオグリキャップ伝説のエピローグを目撃したのだ

 私に言わせりゃ、まさに「歴史の生き証人」

 でも、レースではメジロライアンを応援していたらしい
 (要はライアンの馬券を買っていた)

 大多数の人たちと同様、オグリキャップなど「用無し」と考えていたという

 しかし予想しなかったオグリの勝利に無条件に感動し、彼もまた「オグリコール」の一翼を担うことになる

 あんなレースには、あんな感動的なスポーツシーンには、もう二度と出逢えないだろうとおっしゃった

 オグリの馬券を買っていようがいまいが、競馬場にいようがいまいが、
 あのレースには人それぞれの思い出がある

 当時大学生だった私は、夕陽が差し込む東京・高円寺のマンションで一人テレビ観戦していた

 実は私も当日は珍しく早起きし、総武線に乗り中山に向かったのだが、途中で気が変わり、オグリの最後のレースを一人で見守ろうと考え直した

 引退レースを惨敗した「かつてのヒーロー」オグリキャップが、ニューヒーロー誕生のお祭りムードに包まれる中、隠れるようにひっそりと競馬場を去って行く姿など、見るに忍びないと思ったからだ

 テレビ観戦なら、すぐにスイッチを切ればいい・・・

 水道橋駅で下車、黄色いビル(後楽園ビル)でオグリの単勝・複勝、そして枠連の3-4を買った

 そして、「当たるはずのない」馬券を握りしめ、高円寺へ引き返したのである

 しかし、結果として、スイッチを切る必要はなかった

 オグリは最後までヒーローでいてくれた

 18万人の暖かいコールを受けてウイニングランする、あの「人智を超えた」馬を、ブラウン管を通してずっと見つめていた

 だが、今となっては、競馬場で、オグリの名を叫んでみたかった とも思う

 本当に彼が羨ましい

 パドックでオグリの写真を何枚か撮影したということなので、次回見せていただくことをお願いした

 今から楽しみでならない

 「あの日、あのとき、あの場所」の雰囲気を追体験できる

 オグリキャップにまつわる思い出は、これからもたくさん増えていくのです

  オグリキャップ馬像建立募金

オグリキャップ馬像建立募金始まる

2011 年 1 月 13 日 木曜日 投稿者:mituoka

         オグリキャップ馬像建立募金~オグリの雄姿を、永遠に。~

 
 名馬オグリキャップが死亡してから早いもので半年が過ぎました

 このたび、等身大のオグリキャップ馬像の建立が決まったそうです 

 今年7月3日(オグリの命日)の除幕式が今から楽しみです

 引退から20年以上が過ぎ、そして死しても、

 世間の注目を集め続けるオグリキャップ

 今さらながら、本当に凄い馬です

                           オグリキャップ馬像建立募金

 昨年秋、ある事件の依頼者(若い女性)が語ってくれました

 彼女は、サラブレッドの美しさに魅せられ数年前から競馬ファンになったそうです

 当初オグリキャップについては名前を知っているに過ぎない程度だったらしい

 競馬を好きになってからは現役馬はもちろん、

 過去の多くの名馬たちをもビデオ等で観まくったそうですが、

 その中でも

 「やっぱりオグリキャップが一番

 目を輝かせ、大きな声で、彼女は そう言い切りました

 生い立ち、各レースの凄まじさ、そして劇的な最終章・・・

 VTRで観た何もかもが衝撃だったといいます

 オグリを語り継いでくれる新たな伝道師の誕生を私は嬉しく思ったのであります

 リアルタイムの活躍を知らぬ新たなファンが増えていくなんて、

 オグリキャップは もはや ザ・ビートルズの域に達しています(笑)

 オグリキャップは永遠に不滅です

オグリキャップ馬像建立募金についてのお問い合わせは
  オグリキャップ号馬像建立委員会まで
(バナーをクリックしてください)

 オグリキャップ馬像建立募金

ローズキングダム残念、ブエナの一人舞台

2010 年 12 月 24 日 金曜日 投稿者:mituoka

 日曜日に行われる有馬記念、「2強」の一角ローズキングダムがセン痛のため出走を取り消した

 昨年の2歳王者も今年に入ってからしばらくの不振に早熟説も出たが、ダービー2着以降の充実ぶりは素晴らしかった

 前走ジャパンカップ(繰り上がり1着)では、ブエナビスタにかなり引き離されていたものの、ブエナの斜行に遭わなければもっと際どい勝負になっていた、と私は思う

 有馬記念は、ローズキングダムの真の実力を見せつける、まさに雌雄を決する対戦だったはず

 とても残念だが、出走を辞退したことは陣営として勇気がいる決断だっただろう

 ローズキングダムの来年以降の活躍に期待したい

 さて有馬記念、こうなったらブエナビスタの一人舞台か

 逆転があるとすれば、剛脚復活ドリームジャーニー、前で粘れるエイシンフラッシュ、飛ぶ鳥を落とす勢いのトーセンジョーダン、ゲートをまともに出たときのペルーサあたりだろうが、いずれも展開の助けが必要になろう

 オグリキャップやサクラユタカオーが死去

 現役馬でも、タケミカヅチやレーヴドリアンらが志半ばで逝った

 2010年の競馬界は悲しい出来事が多かったように思う

 世相を映すと言われる有馬記念だが、最後は女王にスカっと明るく締めてもらおう

 この世の中、悲しい出来事もあれば楽しい出来事もあるはずだ

(レース後に追記)

 勝負に勝ったのはやはりブエナビスタだったが、レースに勝ったのはヴィクトワールピサだった。ピサの勝因はデムーロ騎手。すごいジョッキーだ。

 ブエナの敗因は「ツキがなかった」ことだけ。この秋はすべてのレースで女王の名に恥じない走りを見せてくれた。エアグルーブ、ウオッカやダイワスカーレットを凌駕したと言っても過言ではあるまい。私が見た競走馬の中では、シンボリルドルフに次ぐ強さを持っている。

 来年はブエナがすべての主要G1を勝つだろう。そして凱旋門賞にも挑戦してほしい。勝てる力はある、と信じている。

ジャパンカップ 外国馬がんばれ!

2010 年 11 月 24 日 水曜日 投稿者:mituoka

 先日も書いたとおり、競馬のジャパンカップは今年で30回目を迎える

 最近は日本馬が勝って当たり前だが、20年ほど前までは、

 「日本馬なんて勝てっこない」

 という感じのレースだった

 それほどまでに、毎年、外国馬の強さを目の当たりにしていた時代

 中でも印象に残っているは昭和63年(第8回)のレース

 勝ち馬はペイザバトラー(米国)

 タマモクロス・オグリキャップという日本を代表する名馬2頭の前に立ちはだかったのは、本国・米国では重賞勝ちの経験すらない馬だったのだ

 タマモクロスが一旦は先頭に立つも、馬体をあわせてきたペイザバトラーに首差敗れた

 ルドルフよりも強い、と信じていたタマモクロスが無名の米国馬に負けたことがとてもショックだった

 平成3年(第11回)のゴールデンフェザント(これも米国)の末脚も印象に残る

 その年、日本からはメジロマックイーンが出場。今度こそ、ルドルフ以来の日本馬による優勝が期待されていたし、その可能性は高いと誰もが思っていた

 最後の直線で内に進路を取り先頭に立とうかという勢いのマックイーンの外を、あっという間に、並ぶ間もなく交わし去ったゴールデンフェザントとマジックナイト(仏国)の脚力には唖然とした!

 外車と国産車の違い・・・そもそも搭載されているエンジン性能が違うから勝負になりっこない

 そんな感じだった

 2頭はマックイーンを置き去りにし、ゴールデンフェザントがマジックナイトに競り勝った

 結局マックイーンは大きく離されて4着

 この年のマックイーンは天皇賞(秋)で失格、有馬記念では伏兵ダイユウサクに足元をすくわれ2着と、ツキのなさもあったように思うが、ゴールデンフェザントには何度やっても敵わないのでは・・・と思ってしまった

 しかし翌年、トウカイテイオーが父ルドルフ以来の日本馬優勝を果たしてから、せきをきったように日本馬の優勝が続出する

 最近でも外国馬の優勝は時折見られるが、昔のように、「逆立ちをしても勝てない」レベルの外国馬を日本で見る機会は激減した(日本馬たちが相当レベルアップしていることもその理由のひとつだろうが)

 ・・・と思っていたところ、今秋、久々に「とてつもなく強い」外国馬を見た!

 そう、エリザベス女王杯のスノーフェアリー(英国)である

 彼女の剛脚は、日本の三冠馬アパパネを、赤子の手をひねるように切り捨てた

 その衝撃は、まるでゴールデンフェザントのようだった

 日本の馬が負けたのに、なぜかとても清々しい気持ちになった

 やっぱり外国馬が強くなくっちゃ、国際競争じゃない!

 例えば、W杯サッカーで日本代表がブラジル代表とマッチアップするような緊張感を、今年のジャパンカップで味わいたい

今年で30回目の節目 地方馬不在のジャパンカップ

2010 年 11 月 22 日 月曜日 投稿者:mituoka

 今週はジャパンカップである

 エリザベス女王杯を快勝したスノーフェアリーが回避したものの強豪外国馬が大挙して参戦

 迎え撃つ日本勢もブエナビスタ、ナカヤマフェスタを始め最強クラスのメンバーが揃った

 一時は外国馬の参戦が減り、日本の精鋭たちも有馬記念に備え出走を見送る傾向が見られたが、近年は「競馬のオリンピック」の触れ込みに相応しいレースに戻りつつある

 早いもので今年で30回目

 私にとってはオグリキャップが世界レコードで走った平成元年(第9回)が最も強烈だが、シンボリルドルフが勝った昭和60年(第5回)も印象深い

 前走の天皇賞(秋)でまさかの敗戦を喫したルドルフが世界に向けてその実力を誇示したレースでもあるが、そのときの2着馬ロッキータイガーの好走も特筆ものだ

 ロッキータイガーは大井所属の地方馬

 桑島騎手の水車ムチに応え、不良馬場を力強く走り抜けた

 皇帝ルドルフを追っての最後の直線、

 「ロッキータイガー来る!公営の星が追い込んでくる!

 という盛山毅アナの名実況に鳥肌が立った

 今も昔も、地方所属馬が中央の芝のGⅠで好走した例はこのロッキータイガー以外に無いし、ましてや当時は中央馬さえも外国馬に歯が立たなかったジャパンカップでの劇走

 映画「ロッキー」の主人公のように逞しく、「虎」のように勇猛だった

 その後、最強牝馬ロジータなど、地方馬たちの参戦は相次いだが惨敗するケースが目立ち始め、やがて地方馬たちはジャパンカップから遠のいていく

 最後に地方所属馬がジャパンカップに出走したのはいつだったか・・・・

 私の記憶によれば、ハシルショウグンの平成5年以来、目にしていないように思う

 そして、残念ながら今年も地方馬の参戦は見られない

 ジャパンカップダート創設(平成13年)も、本家ジャパンカップに地方馬が出走しなくなった一因だろう

 しかし、第二のロッキータイガーの出現を待望するファンは多いはずである

 オグリやイナリワンは、地方出身馬であって地方所属馬ではない

 地方所属馬が中央の精鋭と外国馬を蹴散らす、究極の「ジャパニーズドリーム」を私たちは待ちわびている

日曜のスポーツ 女子バレー、アイアムマリリン他

2010 年 11 月 15 日 月曜日 投稿者:mituoka

 日本女子バレーボールが世界バレーで銅メダルを獲得しました

 32年ぶりの快挙だとか・・・

 世界の高い壁に何度も跳ね返されながら、ひるまずスパイクを打ち続けた大黒柱・木村沙織選手の気迫に感動しました

 童顔に似合わぬ気の強さを持ち合わせています

 ロンドン五輪でもメダルを期待しましょう

 また、フィギュアスケートのグランプリ(GP)シリーズで村上佳菜子さんが優勝

 層の厚い日本のフィギュアスケート界にまた新星が誕生しました

 こちらもソチ五輪が楽しみ

 日本の女子は偉い

 さて、こちらは同じ女性でも馬の話

 昨日、福島競馬場のメインレース・那須川特別でアイアムマリリン号が優勝

 この夏、茨城の牧場に静養中の愛馬ミンナノアイドルを見に行ったとき、アイちゃんの隣の馬房でやはり夏休みを過ごしていたのがアイアムマリリンでした

 淋しそうに私をジッと見つめていた彼女のつぶらな瞳が忘れられません

 当時はまだ1勝馬でしたが、その休養後、ガラっと別馬のように変身した彼女は昨日の勝利で2連勝を記録

 今後はもっと強い馬たちが相手になりますが、ヒシアマゾンの孫にあたるマリリン、血統的にはまったく引けを取らない

 まだまだ出生してくれることでしょう

 ミンナノアイドルが引退した今、ずうずうしくも、アイアムマリリン号を愛馬のように応援しています

 ちなみに、マリリンの実際の馬主は経営コンサルタントの堀紘一氏です

うちの猫たちの中で紅一点の存在、ジャイ子です

スーパークリークが死亡した

2010 年 8 月 30 日 月曜日 投稿者:mituoka

 スーパークリークが死亡したとニュースを耳にした。

 昭和63年の菊花賞、平成元年の天皇賞(秋)、そして平成2年の天皇賞(春)を制覇。なんといっても、オグリキャップの好敵手として、そして武豊に最初のGⅠをプレゼントした馬として有名だった。

 クリークの毛色は、サラブレッドの典型的な色である「鹿毛」。
 父ノーアテンション、母の父インターメゾという生粋の長距離血統。
 好位置につけ直線抜け出す、安定した、ソツのないレースぶり。

 何もかもがオグリキャップとは対照的だった。まるで、星飛雄馬と花形満。

 彼らが競馬場で火花を散らしていた平成元年の秋、私は自宅(高円寺のワンルームマンション)で、オグリとクリークの血統表を見比べていた。すると、両者の数代前の祖先に native dancer  という共通の馬を見つけた。この似ても似つかないライバル2頭の体内に、共通の血が流れていることを知り非常に驚いた。サラブレッドの血統についてマニアックな興味を持ったのは、彼らの存在があったればこそ。

 ちなみに、native dancerは1950年代のアメリカの名馬で「灰色の亡霊」の異名を持つ。彼はオグリの父であるダンシングキャップの父(つまりオグリの祖父)。スーパークリークに関しては、話が長くなる。クリークの父ノーアテンションの父はグリーンダンサー。その父はニジンスキー。そのまた父はノーザンダンサー。そしてノーザンダンサーの母の父がnative dancerである(ようやく辿りつきました・・・)。

 スーパークリークのベストレースは、平成2年・春の天皇賞だと思う。オグリは不在、戦前からイナリワンとの一騎討ちムード。堅実なクリークに対し、ポカも多いイナリワンだけに、下手をするとクリークのワンサイドゲームになってしまう恐れも若干あったが、レースは期待通りのマッチレースに。最後のコーナーを回ると、後方に待機していたイナリワンがクリークめがけて進撃開始。半馬身まで迫ったところで、クリークはそれを待っていたかのように動き出し、2頭はその着差を保ったまま最後の2ハロンを、馬体を接するように駆け抜けゴールに入った。

 私はそのレースを、生で見ていない。あれはたしか、東京経済大学との練習試合の帰り道、先輩の車の中だった(私は野球部に属していた)。競馬にほとんど興味のない先輩に無理を言って、競馬中継にチャンネルを合わせてもらった。どうしても、2頭の対決を聴きたかった。アナウンサーの興奮から、すごいレースだったことが容易にわかった。「へぇ~、強い馬たちってのは、やっぱり強いんだな」先輩はとても感心していた。

 牧場関係者の話によると、クリークは、オグリキャップが死亡した直後から体調を崩したらしい。盟友オグリの訃報を聞き力を落としたのか、あるいは、オグリがクリークを呼んだのか。

 これで、「平成の3強」のうち、生存しているのはイナリワンだけとなった。イナリワンには2頭の分も長生きしてもらいたい。

 ちなみに、イナリワンに「native dancer」の血は流れていない。 

 今年の夏は、特別な暑さだったから、老齢馬には応えたのだろう。
 名馬スーパークリークの冥福を祈ります。

 「大河 Super Creek」 を無事に渡り、きっと天国に辿りついたことでしょう。