‘オグリキャップ・ミンナノアイドル他’ カテゴリーのアーカイブ

時をかけるウオッカ ジャパンカップ優勝

2009 年 12 月 1 日 火曜日 投稿者:mituoka

 平成元年の第9回ジャパンカップ。世界の名馬たちを相手にあのオグリキャップが2着と大健闘し2分22秒2という世界レコード決着したことで名高いレース。そのとき優勝したのはニュージーランドの牝馬ホーリックス。ホーリックスは空前絶後のハイペースを先行してそのまま押し切った。こんな凄い馬は日本にいない、しかも牝馬とは・・驚きの連続だった。

 今回は第29回目。ホーリックスの優勝から本当に20年も経ったの?あの激闘がまだまだ記憶に新しい私にとっては、20年もの月日が流れたことなど、とても信じられなかった。

 さて今年のレース。抜け出したウオッカを後方待機のオーケンブルースリが急追。軍配はウオッカに上がった。ウオッカは終始先行集団でレースを引っ張った。ウオッカと同じような位置にいた先行馬たちはすべて馬群に沈んだ。20年前と同じようなハイペース。先行して押し切るにはスピードもスタミナも持ち合わせていなければならない。ウオッカは凄かった。

 こんな馬がついに日本に現れたのか!しかも牝馬だ!日本のレベルは格段に進歩したんだなぁ・・・。20年という気の遠くなるような歳月が流れたというのはやはり本当だったんだ。実感した。

 この勝利を手土産にウオッカは引退する可能性が高い。いつの日か彼女の子供を競馬場で見かけたとき、私たちはまた時間(とき)の流れを実感するだろう。

 おめでとう、そして さよなら ウオッカ

 

 

ラストランを飾れ 名牝ウオッカ

2009 年 11 月 27 日 金曜日 投稿者:mituoka

 29日(日)は東京競馬場でジャパンカップが開催される。今年は英国から超大物コンデュイットが参戦。キングジョージを勝ちブリーダーズCを連覇した勢いは過去に参戦した外国馬の中でも一番ではないか。日本勢も実力馬が目白押し。稀に見るハイレベルな1戦になりそうだ。

 ウオッカが登録してきた。一昨年のダービーを勝った舞台。勝機はある。まったく根拠はないが、快勝か惨敗かどちらかのような気がする。これが引退レースになるだろう。ここ2戦、不本意なレースが続いているが勝ち馬との差はほとんどなかった。調子が落ちているとは言えない。展開次第で勝ち目はある。勝ってほしい。

 武豊騎手に替わりC・ルメールに最後の手綱が任された。これだけコロコロとジョッキーの交替があった名馬も少ない。そして、有馬記念を勝って引退した大物はオグリキャップ・シンボリクリスエス・ディープインパクトがいるがジャパンカップを勝って引退した日本馬はいない。ここで勝つことが、すべてにおいて規格外であったウオッカにもっとも相応しい。

 ウオッカとダイワスカーレット。ともに数十年に一頭の名牝。彼女たちが同級生だったことは奇跡。楽しい3年間だった。ウオッカがジャパンカップを勝って引退するのは奇跡ではない。これは必然。奇跡を形成する要素のひとつに過ぎない。

 最後の直線を突き抜けろ!

 勝ってくれ、ウオッカ!

ウオッカは引退すべきか

2009 年 11 月 1 日 日曜日 投稿者:mituoka

 秋の天皇賞を3着に敗れたウオッカ。角居調教師からは引退をほのめかす言葉も出たらしい。牝馬として64年ぶりにダービーを制し、宿敵ダイワスカーレットと幾たびもの名勝負を演じた彼女はこのまま引退してしまうのか。

 秋の天皇賞に破れ、引退をささやかれた名馬といえばオグリキャップを思い出す。オグリはウオッカより内容もひどけりゃ着順も6着だったがあのときは休み明け初戦。いきなり天皇賞。一応の言い訳ができる敗退だった。ウオッカの場合は叩き2戦目。得意の東京競馬場。力の衰え、と見られても仕方ない。

 しかし、オグリを引き合いに出すのならこうも言えよう。オグリがあのまま引退していたら、我々は有馬記念で「奇跡のラストラン」を目にすることはなかった。名馬だからこそ華のあるうちに引退、というのも素晴らしい。でも、名馬だからこそ名誉挽回のチャンスを与えよう!という選択があって然るべき。

 敗れたとはいえ天皇賞でウオッカが繰り出した豪脚は最後の3ハロン32秒9という強烈さ。引退はもう一度様子を見てから決めてほしい。谷水オーナー、角居調教師にお願いしたい。ウオッカをジャパンカップに出走させてください。ファンも、そしてウオッカ自身もそれを望んでいるはずです。

第140回天皇賞

2009 年 11 月 1 日 日曜日 投稿者:mituoka

 カンパニーの完勝。漁夫の利を得たわけでもない、何の紛れもない、実力で掴んだ栄冠。9歳といえば天皇賞に出走するだけで褒められる年齢。人間で言うならば還暦間近だろう。毎日王冠で勝った時にその予感はあったが「まさか9歳馬が・・」という頭がファンにあったのだろう。評価は5番人気に過ぎなかった。先入観にとらわれてはいけない、という教訓をカンパニーは教えてくれた。

 カンパニーの父ミラクルアドマイヤは現役時代わずか1勝したに過ぎないが、フサイチコンコルドの弟という良血を買われて種牡馬になった。母の父は日本競馬を長年支えつづけたノーザンテースト。こうしてみるとやはり競馬は血統なのか。カンパニーの次走は距離適性を考慮してマイルCSに行くべき。今度は圧倒的な1番人気でファンも出迎えるだろう。

 ウオッカは最後の直線、ちょっと窮屈な場所に閉じ込められた。安田記念のときはそれでも勝てたが、今回は違った。武豊騎手は毎日王冠と同じ轍は踏まないとばかりスタートしてすぐに中断に控えた。結果的に見てこれが裏目に出てしまった。ウオッカの圧勝パターンは2,3番手から抜け出して突き放すレース。長くいい脚を使うパターンはない。位置取りがあまりに後方すぎた。それでも3着にきたのだから実力は見せた。

 横山典弘騎手は秋の天皇賞初制覇。メジロアルダンの2着(1990年)に始まり苦杯を舐めること10数回。今年はダービーといい、今回といい、呪縛の解けた一年だった。今度の初制覇はジャパンカップか、それともオークス、桜花賞か。波に乗る横山騎手の来年以降に注目です。

吉川晃司の菊花賞 そしてウオッカの天皇賞(秋)

2009 年 10 月 26 日 月曜日 投稿者:mituoka

 昨日の菊花賞、このブログでも取り上げた吉川晃司氏の誘導馬騎乗で例年よりも注目が集まった感がありました。吉川氏の騎乗ぶりをテレビで拝見。ほんの数秒しか映らなかったのですが、予想以上に厳粛で紳士的な騎乗ぶり。いい意味での緊張感がしっかり伝わってきました。見事でした。

 さて、結果のほうは伏兵スリーロールスの差し切り勝ち。2着にも人気薄のフォゲッタブルが入り波乱。ともに1996年の菊花賞馬ダンスインザダークの仔。フォゲッタブルの母は秋の天皇賞馬エアグルーヴ。やはり競馬は血統だと再認識しました。

 今度は秋の天皇賞。エアグルーヴから12年。今年はエアグルーヴにも劣らぬ名牝が連覇に挑みます。その名はご存知「ウオッカ」。走ると聞くだけでファンがワクワクする馬は滅多にいない。オグリキャップ以来の国民的アイドルホース。前哨戦の惜敗を跳ね返す圧勝を期待します。

安田記念、ウオッカの連覇

2009 年 6 月 8 日 月曜日 投稿者:mituoka

ここまで注目が集まった安田記念は近年あまり記憶にない。ウオッカとディープスカイという2頭のダービー馬対決に胸躍ったのは私だけではあるまい。あのオグリキャップが武豊と初めてコンビを組むということで盛り上がった平成2年以来の興奮。

期待通り両馬が1,2着を占める結果であったが、特にウオッカの強さが際立った。最後の直線、他馬に進路をふさがれ絶体絶命のピンチに立たされながらも、劣勢挽回の豪脚を繰り出し快勝したウオッカ。ディープスカイとの勝負付けは済んだ気もする。年々強さを増している。7月の宝塚記念に出走するとしたら、敵はもはや自分の距離適性のみ。ルドルフ・ディープインパクトに並ぶGⅠ7勝目は目前。

しかし、ウオッカという馬は真のスーパースターですね。以前にも書きましたがドラマチックな競争生活はオグリ並み。今回の安田記念は特に伝説的なレースとして語り継がれることでしょう。

ウオッカよ、ディープよ、鬣をなびかせろ

2009 年 6 月 3 日 水曜日 投稿者:mituoka

今週は安田記念である。ファリダットはスプリント~1400の距離ならば王者になれる器。8歳になってますます元気なカンパニー、府中にも良積がある。いつかはGⅠを取ると言われ続けているスーパーホーネットの栄冠奪取はここかもしれない。高松宮記念チャンピオンのローレルゲレイロはマイルでも侮れないし逃げ切りもある。不振続きだが地力のあるコンゴウリキシオーも不気味。本格化したアブソリュート、血統的にはここを勝つ資格充分だ。

しかし、今回だけはあれこれ迷うことは止めよう。このレースはダービーホース2頭のマッチレースを期待する。マッチレースになれと願い、そのとおりに、いや、その期待以上の名勝負を見せてくれたオグリとバンブーメモリーの89年マイルCS。その再現を。ウオッカよ、ディープスカイよ、真の府中王者たれ。

19年越しのダービー制覇 横山典弘騎手

2009 年 6 月 1 日 月曜日 投稿者:mituoka

メジロライアン。横山典弘ジョッキーにとって特別な思い入れがある馬に違いない。平成2年の日本ダービー、少年の面影を残した若き横山はライアンを完璧に乗りこなし見事に1番人気の重責を全うした。ダービーの栄光は彼とライアンに輝くはずだった。しかし彼らの前にただ1頭、圧倒的なスピードでゴール板を駆け抜けた馬がいた。アイネスフウジン。まさに「風神」。明るいレジャー産業となった競馬新時代を象徴する「中野コール」を横山はどんな思いで聞いていたのだろうか。

あれから19年、ファンは横山がダービーを勝つことはないだろうと思い始めていた。悪いことにロジユニヴァースは前走を大敗している。今年も横山がダービーを勝つことはない。

しかし栄冠は突然にやってきた。女神は気まぐれだ。最後の直線、他馬を突き放し完全に抜け出しながらも彼は気を緩めることなくロジユニヴァースを駆った。おそらく彼の目にはさらに先を走るアイネスフウジンが映っていたのだろう。ゼンノロブロイでも、ハーツクライでも捕らえられなかった「風神」を19年越しについに差し切った、そこがゴールだったはずだ。「中野コール」は「横山コール」に代わった。

2つの世紀をまたにかけたアイネスフウジンの逃亡劇は終焉をむかえた。今は亡きアイネスフウジンもこれでようやく天国で安らかに暮らせるだろう。ライアンは種牡馬を引退後、現世で隠居生活を楽しんでいる。しかし、横山の騎手生活はこれからも続く。

同世代として、とても嬉しいダービー初制覇でした。

歴史を塗り替える鼻差 ブエナビスタのオークス

2009 年 5 月 25 日 月曜日 投稿者:mituoka

クレオパトラの鼻がもう少し低かったら歴史は変わっていた。ブエナビスタの鼻があと数センチ低かったら昨日の勝利もなかったかもしれない。それほど微妙なきわどい「鼻差」でしたが見事な末脚で2冠達成。同じくスペシャルウィークを父に持つシーザリオが見せた4年前の鬼脚に匹敵する凄まじいもの。桜花賞に続き、オークスでも同じ相手とのマッチレースに勝ったのですから着差以上に実力差はあるのでしょう。

陣営はこの勝利で自信を深め今秋の凱旋門賞挑戦を明言。斤量も3歳牝馬に有利になるわけで期待は膨らみます。素晴らしい眺め、という意味の名を持つブエナビスタ(余談になりますが長野県松本市で知人がブエナビスタという名のホテルを経営しています。これがまた素晴らしいホテルです)。日本牝馬初の凱旋門挑戦、そして世界制覇へ。世界を見据える彼女の視界は良好です。

オークスはディアジーナ

2009 年 5 月 19 日 火曜日 投稿者:mituoka

ウオッカに酔いしれた府中で、今週も牝馬たちの祭典が開かれます。
オークスです。なんといってもブエナビスタが『ド本命』でしょう。彼女が本物であることは桜花賞で再認識済み。
しかし、私は絶対にディアジーナを応援します。

ディアジーナはメジロマックイーンの仔。府中の2400MではジャパンCに出場したことがあるマックイーン。そのときはアメリカ馬・ゴールデンフェザントの瞬発力の前にアッと言う間に抜き去られ置き去りにされ、4着に終りました。先行するディアジーナ、追い込んでくるブエナビスタ。ブエナビスタにゴールデンフェザントの姿が重なりますが、ゴールデンフェザントほどの瞬発力はないと思います。父に勝る先行力でブエナビスタの強襲をしのぎ切ってほしい。今は亡き父マックイーンに朗報を届けてもらいたいと心から思います。
しかし、ブエナビスタの父はスペシャルウィーク。府中2400MではダービーもジャパンCも制したし、2000Mではあるけど秋の天皇賞も勝った府中巧者。ブエナも直線の長い府中にはもってこいの脚質を持つ。う~ん、やっぱり分が悪いかな。