静岡地方裁判所・静岡簡易裁判所(筆者撮影)
過払い金があるけど、一方、ショッピング(立替金)債務も少し残っている。
それらを相殺した後の金額を、過払い請求したい。
そんな場合の訴状記載例を以下に挙げる。
みなさんが一番悩む点は、相殺適状日をいつにするか? だろう。
私はキャッシング最後の取引日(貸付または返済)を適状日とした。
その点については、いまのところ、裁判官から何の指摘も受けたことがないので、
特に問題なさそうだ。
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訴 状
(中略)
第1 請求の趣旨
1 被告は、原告に対し、
(1)166万3907円
(2)98万9934円に対する平成24年4月8日から支払済に至るまで年5パーセントの割合による金員
を支払え。
2 訴訟費用は被告の負担とする。
との判決及び第1項につき仮執行の宣言を求める。
第2 請求の原因
1 被告は、消費者を顧客として貸金業等を営む株式会社である。
2 平成2年5月1日、原告と被告は包括的金銭消費貸借契約(以下、基本契約という)を締結した(甲1号証)。その後、原告は被告との間で、同日から平成24年4月7日まで継続的に金銭消費貸借取引を行い、別紙計算書記載の取引日に「借入額」及び「返済額」の各欄のとおり、借入と返済を繰り返してきた。
3 《不当利得》
原告は被告との本件取引において、利息制限法制限利率を超える利率により計算された利息の弁済を行ってきた。これを利息制限法制限利率により計算し、利息制限法超過利息を元本に充当した結果、別紙計算書のとおり原告の被告に対する過払いが発生しており、被告は法律上の原因なくしてこれを利得している。過払金(元金)は205万8625円である(計算書のとおり)。
4 《残債務》
一方、原告は被告に対して、立替払契約(契約番号0011-〇△☓)に基づく債務を負っている。その額は、106万8691円である(甲4号証)。
5 《相殺の意思表示(残債務の消滅)》
原告は、本訴状をもって、3の過払金(元金)のうち、4の残債務相当額106万8691円を自動債権、残債務を受働債権として、両者を相殺する意思表示をする。なお、相殺適状日は、原被告間における金銭消費貸借取引の最終取引日である平成24年4月7日とする。相殺後は、原告が被告に対して98万9934円の過払金返還請求権を有することになる。
6 《悪意の受益者(民法703条及び704条)》
利息制限法制限利率を超えた利息の契約は、その超過部分につき無効である。債務者が利息制限法超過利息の支払いをした場合、貸金業法の規制等に関する法律第43条の要件を満たさない限り、超過部分は元本に充当される。元本充当計算の結果、計算上元本が完済になったとき、不当利得として返還請求が認められることは、最高裁判例によって確立されている。
被告は貸金を業とする金融の専門家であり、また、本件のごとき裁判を幾度となく被告として経験しているので上記判例理論を当然に知っている。つまり、被告は、原告に返済義務がないことを知っていながら、原告からの弁済を受領し続けたものであり、金銭消費貸借取引において発生した過払金について、悪意の受益者としてその受けたる利益に利息を附して返還することを要する。
7 よって、原告は被告に対し、
(1) 不当利得返還請求権にもとづき、98万9934円
(2) 民法704条により67万3973円の利息
(3) 98万9934円に対する平成24年4月8日から支払済に至るまで年5パーセントの割合による利息
の支払いを求める。
(以下略)
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