1998年の秋、というと今から15年も前の話だが、僕はアメリカに数週間滞在した。
その当時、実兄が研究医としてカリフォルニア州サンディエゴにいたので、彼のアパートで寝起きさせてもらった。
メジャーリーグが空前の盛り上がりを見せていた。
マーク・マグワイア と サミー・ソーサ が、異次元のレベルでホームラン王争いを演じていたから。
僕も、たしか4~5試合はスタジアムで観戦。
ソーサの64号満塁ホームランを生で目撃することができた。
なかなか楽しい毎日だった。
しかしテレビ観戦するにも、スタジアムに足を運ぶにも、野球は夜の催し物。
昼間の僕は、デルマー競馬場が開催している日はそこに通ったけど(当然!)、それ以外の日は特にやることもないので暇つぶしにフリースクールに通った。
韓国・台湾・フランス・イタリア・メキシコ・・・たくさんの外国人が集う、英語習得のための学校だ。
ある日、授業の中で女性教師が「あなたの職業は何?」と尋ねてきた。
僕は待ってましたとばかり、和英辞典で調べておいたとっておきの言葉を発した。
「I’m working at a judicial scrivener office as a clerk!」
司法書士事務所で事務員として働いている、とキレイに言ってのけたつもりだった。
しかし、女性教師は酸っぱいレモンでもかじったような渋い顔をして、肩をすくめた。
judicial scrivener がまったく意味不明だったのだ。
彼女はクラス中の生徒たちにも 「この言葉の意味がわかる人がいるか?」と聞きまわったが、反応は全て同じだった。
僕は仕方なく、It’s a kind of lawyer と釈明したが、赤っ恥をかかせてくれた和英辞典を心底恨んだ・・・。
司法書士という職業は、日本独自のもの。
scrivener というのは、昔の「代書人、公証人」だが、欧米において今では存在すらしない職業らしい。
なんのことなのか、さっぱりわからないのも当然なのだ。
かつてはやはりこの言葉を使用していた日本司法書士会連合会も、現在はHPで
「Shiho-Shoshi Lawyer」 と名乗っている。
そう、これが正解!これしかない!
つまりは 「司法書士という名のLawyer」。
(Lawyer という言葉に、弁護士会あたりが過剰に反応しそうだが、これは本来、法律職全般を意味する言葉なので、弁護士= Lawyer という安易な和訳こそが間違っているらしい。)
今日(こんにち)においても同業者のHPに judicial scrivener の文字を見かけることが少なくない。
大きなお世話かもしれないが、あらためるべきだと僕は思う。
judicial scrivener でもなけりゃ、司法士 でも 法務士でもない。
司法書士はShiho-Shoshi 以外の何者でもないのだから。
無料電話相談フリーダイヤル ☎ 0120-714-316
登記費用無料見積り ・相続・債務整理 ・過払い請求の【司法書士法人 静岡】