ゴルフの全英オープン( THE OPEN )は最終日を残すのみ。驚くべきことに、もうすぐ60歳のトム・ワトソンが首位に立っているという。
父に似たのか、私はゴルフをあまり好きではない。大学時代の友人たちから時折ゴルフに誘ってもらうが断り続けている。そんな私でさえ覚えているゴルフ史上に残る名勝負が3つ。青木功がジャック・二クラウスと互角の勝負を演じた1980年の全米オープン。同じく青木功が最終日最終ホールでチップインイーグルを決めた1983年ハワイアン・オープンでの優勝。そして一番記憶に古いものは1977年の全英オープン。そのときニクラウスとのいわゆる「真昼の決闘」を制したのがトム・ワトソンだ。
32年前に伝説を作った男が、今年の全英オープンを勝つかもしれない。以前に増して柔和な表情になった還暦間近のワトソンは心底ゴルフを、いや人生を楽しんでいるように見える。全英オープンは60歳で「定年」らしいが、ラストチャンスにかける悲壮感など見受けられない。それが好結果につながっているのだろう。しかしワトソンには是が非でも、石にかじりついてでも、優勝してもらいたい!新たな伝説をこの目で見たいです。
【追記】
ワトソンはプレーオフの末、敗れた。本当に惜しかった。しかし、爽やかなワトソンの表情を見ていると優勝なんてどうでもいいものに感じた。「今や過去の人」だと思われたワトソンの活躍は特に団塊の世代の方々に勇気を与えたことだろう。派手なロングショットはもう打てないが、コツコツと地味にパットを決め続ける。人生もこうありたいものだ。見事でした、ワトソン君!