2010 年 10 月 20 日 のアーカイブ

ある上申書

2010 年 10 月 20 日 水曜日 投稿者:mituoka

 ちょっと用事があったので裁判所窓口に行ったら、まったく別件の裁判の書類を手渡された

 それは過払い請求訴訟

 被告は大手消費者金融会社(あえて実名は伏せる)

 書類とは、被告から裁判長に宛てた「上申書」である

 まずは「上申書」とあり、その下にカッコ書きで

 (和解勧試を行っていただくための嘆願書) と記されている

 ザ~っと読んでみた

 要するに、被告は裁判長に対し、以下のようなことを言いたいようだ

★武富士の破綻は対岸の火事ではない。当社だって、いつ破綻してもおかしくない。でも、現時点であれば、会社更生法を選択した武富士よりは、ちょっとマシな返還率で過払い請求に対応できる。その返還率については下記のとおりだ(※)。満額返還が続出し当社が潰れたら後に出現する他の過払い債権者が困るはず。原告代理人には、そこらへんのところを原告本人に伝え、そして原告本人の意志を尊重してくれないと困る。裁判長におかれては、ぜひ、そのように原告代理人へ指示してくれ★

※ ①過払い金元金の5割 (支払い期日が3カ月後の場合)
  ②過払い金元金の3割 (支払い期日が1ヶ月後の場合)

 司法書士・弁護士が原告本人の意志を無視して裁判を進めているとでも思っているのだろうか?

 また、原告本人にとっては、はっきり言って、他の過払い債権者のことは、どうでもいい話

 いまの自分の苦しい生活を乗り切るため(あるいは遊興費捻出のためかもしれぬが)、より多くの過払い金の返還を求めるに過ぎず、被告会社の思いは届かないだろう

 このような上申書(嘆願)を裁判長が聞き入れるはずはない

 参考のため、裁判所が私に手渡してくれたのだろう

アイフルがテレビ広告を取り止める方針を固めた?

2010 年 10 月 20 日 水曜日 投稿者:mituoka

 今日の昼休み、ネットサーフィンしていたら、次のようなニュース記事に辿りついた

 消費者金融アイフルはテレビ広告を取り止める方針を固めた。同業の武富士の経営破たんで過払い利息の返還を受けられない多重債務者が、代わりにアイフルから返還を受けようと請求してくる可能性が高まっていることなどが背景にある。複数の関係者によると、アイフルは11月から全国のテレビスポットCMを中断する計画だ。広告費削減のほか、広告による企業名の露出が多重債務者を刺激し、過払い請求を誘発することを防ぎたい狙いがあるとみられる(以下略 10月20日(ブルームバーグ))

 記事に「過払い請求を誘発することを防ぎたい」とある

 いわば、寝た子を起こさない、ということだろうか

 たしかに一定の効果が期待できよう

 しかし、現在過払い請求中の人に対しては、むしろ逆効果ではないだろうか

 いよいよアイフルもヤバいな・・・という先入観を抱いた過払い請求者(われわれ代理人も含む)は、

 「破綻したらほとんど還ってこないだろうから、そうなる前に和解して少しの金額でいいから早めに回収してしまおう」

 と思う人もいるだろう

 そうなれば、アイフルにとっては願ったりだが、

 アイフルとの和解は、返還率に関わらず、数か月先の返還しか望めない現状を鑑み、

 「和解せずに裁判をして、さっさと判決をもらおう。それでも支払いがなければ強制執行してしまおう」

 という選択肢もあり得る

 どちらかと言えば、後者が多いのでは・・・

 アイフルを始めとする消費者金融は、過払い請求を防ぐことと同時に、新規顧客を開拓し利息収入を増やすという命題も持っているはず

 その点からしても、CM中止は逆効果になろう