2011 年 1 月 19 日 のアーカイブ

民事調停事件 過払い請求②

2011 年 1 月 19 日 水曜日 投稿者:mituoka

 今日の民事調停(過払い請求)のうち、もう1件をここで紹介する

 相手はM社

 本件は「取引の分断」に関する争点がある

 一連計算で過払い金は約83万円(利息を含む)

 しかし、「分断」として算出すれば約49万円となる

 「当社としては分断を主張します。解決金として50万は用意します

 とM社の担当者

 「すみません、その金額ではお受けできません

 と私は回答した

 立ち会った裁判官はM社担当に対し

 「たしかに650日以上の取引空白期間はある。でも、原告側から陳述書等の証拠が提出されれば、これは一連取引として判断される可能性があるよ

 とおっしゃった

 「そうですか、そうなったらこちらとしても証拠を提出して、あくまでも分断を主張するだけです

 「証拠って具体的にはどんなもの?

 「各取引の契約書です

 「そんなもの出しても無意味だよ。取引が2個あったことは知ってる。問題は、それら取引が事実上、ひとつの取引とみなされるかどうかなんだから

 呆れた感じで裁判官がそう言った

 消費者金融業者は「分断・一連」の最高裁判例について根本的に大きな勘違いをしていることが多い

 例のH20年1月の最高裁判例は、取引が複数あった場合に、それらを事実上「一連」とみなすかどうかの話

 つまり、複数の契約書が存在して当たり前なのだ

 取引の再開時に新たな契約書を作成した(新たな契約を締結した)事実だけをもって、即「分断」の主張が通る、というわけではない

※ただし「特段の事情」について原告側に立証責任があるでしょう

 「そうですか、わかりました・・・

 解決金として60万円、支払い時期は今年8月一括、という内容で話がまとまった

 M社は、任意の交渉においては、「分割払い」と「1年以上先の支払い時期」を提案してくる傾向にある

 少なくともその意味で、付調停の効果はあったと言えよう

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民事調停事件 過払い請求①

2011 年 1 月 19 日 水曜日 投稿者:mituoka

 本日は7件の民事調停があった

 すべて過払い請求訴訟が調停に付されたもの

 午前10時から一日の大変を裁判所で過ごした

 ここではそのうちの1件、A社との調停でのやりとりについてご紹介する

 A社の計算によると過払い金の元金は約53万円らしい

 「その約7割にあたる37万5千円で和解してくれ

 という上申書が事前に裁判所に提出されていた

 しかし、いわゆる「悪意の5%」を付加して計算すると、元金は約61万円

 今日の調停の席で当方は

 「その案はお受けできません。
  解決金として60万円でいいので、早期に返還いただきたい

 と述べた

 立ち会った裁判官や調停委員も

 「元金は61万なんだから、もっと出さないと原告も納得しないよ

 とこちらを後押し

 それに対しA社ご担当は次のように反論した

 「61万というのは原告側の主張する元金でしょう?他の裁判所では被告側が算出した過払い元金をベースに、そこから何割減額できるかというスタンスで話を進めてくれる。おたくの裁判所の扱いはおかしい

 ホントかな?と疑った

 その裁判所はまるで業者の味方ではないか・・・

 「それはその裁判所のやりかたであって、うちにはうちのやりかたがある。もし不服なら調停不成立として弁論準備に付して判決を言い渡すことになっちゃうよ

 と裁判官が言い返してくれたが

 「はい、仕方ないですね

 開き直った、という感じだった

 「よく聞いてちょうだい。付調停は、過払い請求の増加により窮地に陥っている消費者金融業者を救済するためでもあるんだよ。通常訴訟によって判決言渡されて請求額全額支払わされるよりマシでしょ?

 おっしゃるとおりである

 結局のところ、60万円を3月末に支払っていただくことで決着した

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