代ゼミ縮小
2014 年 8 月 26 日 火曜日 投稿者:mituoka代々木ゼミナールが全国27校のうち20校を廃止する予定であることが報道された。
少子化が進む中、当然といえば当然のニュースであるが、かつて「代ゼミ生」だった僕は一抹の寂しさを覚える。
代ゼミ横浜校の東大コースに通っていたのは、僕がY国立大生だった時分のこと。
つまり、今で言う「ダブルスクール」というやつだった。
恥ずかしながら、そして両親にはとても申し訳ないのだが、代ゼミにも、Y国立大学にも、ほとんど通っていなかった。
でも、代ゼミの現代文の授業だけには、ほとんど欠かさず出席していた。
酒井敏行先生という名物講師がいたからだ。
左翼精神剥き出しのとても危うい講義だったが、抜群に面白かった。(どのように面白かったかは、ここでは書けない)
彼のおかげで不得意だった現代文が、たちまち得意科目になった。
最後の講義が終わったとき、僕は色紙を携えて講師控室に急いだ。
「先生、サインをお願いします」
先生と直接言葉を交わすのはそのときが始めて。
「おっ!君ぃ~!よく覚えているよ!授業中、何度も目が合った。毎回すごく集中していたね~」
柄にもないお世辞を言いながら、先生は色紙に次のようにしたためてくれた。
静かに行く人ほど遠くに行く 酒井敏行
ネットで検索したら、酒井先生は現在も代ゼミで講師を務めているらしい。
最近の講義の模様をYouTubeで見ることもできた。
還暦を過ぎ、さすがに心身ともに丸くなった感もあるけど、時折垣間見える「変人ぶり」は健在。
あの色紙の言葉の意味は、出来の悪い教え子ゆえ、30年近く経った今でも判然としないが・・・
酒井先生はこの先、どこへ行くのだろう