コラム
武富士とアイフル、上場来安値を更新
2008/06/26
25日、武富士とアイフルが上場来安値(上場してから最も安い株価)を更新した。大手銀行との関連が密接でない両社の経営状態は苦しいとの見方が強まっているのだろう。日本経済新聞によると、消費者金融大手4社について、銀行系(アコム、プロミス)と独立系(武富士、アイフル)の格差が鮮明になりつつあるという。武富士は証券化による資金調達が全体の4割を占め、保証を受けている米金融保証会社(モノライン)の格下げの影響もあり、今後更に資金繰りが苦しくなるとされる。
債務整理を行っていると、消費者金融各社の経営状態が手に取るように把握できる。武富士に関して言えば、以前は最悪でも引き直し計算後の残高元本のみでの分割返済和解提案に応じてくれていたが、最近は和解交渉において「遅延利息を払え」だの、「将来利息18%を付けろ」だの、注文が多くなってきた。もちろん、そのような和解には応じていない。その一方、こちらが過払い金の返還請求をすると「利息はカットしてください。元本の8割の金額で和解してください」と懇願してくる。
まったく、何をか言わんや、である。
因果応報。最近の過払い金返還案件の増加、貸金業法改正の影響による消費者金融各社の窮状も理解できる。しかし、長年に渡り強引な取立てを受け違法利息を払わされ続けた多重債務者はもっと苦しいのだ。それを各社にはご理解いただきたい。