コラム
親子同然のイヌとネコ ~ジョンの思い出~
2008/11/19
中国通信社によりますと、安徽省巣湖市郊外の農村でイヌとネコが親子同然の生活をしているといいます。生まれて間もなく母ネコと死に別れた子ネコは、ミルクがもらえず栄養不足のままに1歳になったらしいです。依然やせっぽっちの子ネコですが、現在2匹のイヌが母親のように慈しんでいるとのこと。子ネコは腕白で、イヌの背中に乗って遊んだりしているようです。
以前、私の実家でも同じようなことがありました。実家では私が20歳のときからジョンという雑種犬を飼っていました。ジョンはとても優しい女の子で、子犬や子ネコが大好きでした。動物病院などで子ネコや子犬を見つけるととても嬉しそうにシッポを振っていたものです。「この子は本当に優しい目をしているね~」と病院で隣に座ったかたから褒めていただいたこともありました。
私が30歳のとき、実家の庭に真っ白な子ネコが迷い込んできました。母性本能の強いジョンはそのネコをとても可愛がりました。ネコの体をペロペロ舐めてあげたり、餌を必至にほおばるネコのすぐ傍で自分の餌には目もくれずわが子の成長を喜ぶ親のようにシッポを振りながら楽しそうに見守っていました。驚くことに、ジョンのお乳が実際に張ってきたほどです。ネコもジョンが大好きでした。ジョンのお腹を枕に昼寝するのが日課となりました。ジョンとネコは真の「親子」でした。
ネコが来て約4ヶ月後の早朝、ジョンとネコを散歩に連れて行こうと「おいで」と声をかけると、ジョンはいつものように嬉しそうに走り寄ってきました。しかし、すぐに苦しそうにペタンと座り込み、やがて横たわりました。その日の午後にジョンは天国へ旅立ちました。フィラリアと老衰による死でした。
あれから12年、ネコは今でも元気です。たまに実家に戻る私をネコしては珍しく、忠犬ハチ公のように出迎えたり見送ったりしてくれます。ジョンの魂は確実に受け継がれているように思えます。たまにはジョンのことを思い出してくれているのでしょうか・・・。ジョンの待つ天国へ行くのは、きっとまだまだ先になりそうです。