過払い金・借金問題

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コラム

司法書士の広告について(債務整理・過払い金請求に関して)

2008/04/09

 先頃、私の自宅に東京の司法書士のカラー広告が新聞の折り込みチラシとして届けられた。
 債務整理に関するものだった。彼の顔写真を見ると実にカッコ良く、高利をむさぼる悪徳業者たちから一般市民を守る正義の味方、といった感じ。

 もちろん、カラー折込みチラシに対する感想はそれだけではない。まず、多くの司法書士が抱いた疑念だろうが、この東京の司法書士は一体どうやって静岡の依頼者と面談するのだろうか、ということ。
 例のGK法施行等により、本人確認業務の更なる厳格性が求められているのは登記申請事件だけに限らず裁判業務・裁判外の和解業務も同様だ。当然債務整理事件もそれに含まれるわけである。
 面談するに際して、彼(司法書士)が静岡まで来るのか?こうした場合、彼の出張旅費は当然依頼者負担であろう。では、依頼者が自費で上京するのか?いずれにせよ、今日一日のお金にも困っている依頼者にとって東京の司法書士に依頼するメリットはない。こう考えると、本人と面談しないことを前提とする広告のようにも思える。銀行の口座を開設するにも本人確認作業が必須とされる時代に、本人と面談することなしに債務整理を断行することはいかがなものだろうか。

 一方で、(ここからが本題であるが)規制緩和の波が確実に押し寄せていることを実感した。今更ながらであるが、自由競争の時代が訪れたことをカラー折込みチラシは教えてくれた。
 当方も先月末このHPを開設した。他の司法書士・弁護士事務所においてもHPを持っているのは当たり前の時代になっている。東京あたりの電車内広告では「債務整理はお任せください」などの謳い文句とともに司法書士・弁護士がニッコリ微笑みかけてくる。静岡新聞紙上にも司法書士による登記勧誘広告は毎日載っている。しかし、業界内には広告することに眉をひそめる輩も多く存在する。特に、保守的で競争を好まず、事なかれ主義をいく人間が多いこの静岡という地ではその傾向が顕著だ。

 時代は変わった。広告宣伝は原則として違法ではない。

 司法書士・弁護士等が広告を出すことによって、例えば債務整理という法的サービスの存在を初めて知る一般市民はたくさん存在するはずである。広告ではなく「公告」だ。『金儲けのためにこの仕事を選んだのではない』などという大義名分から広告・宣伝にアレルギーを感じていると、救済可能な被害者を放置することにもなり得るのだ。まさに本末転倒。
 また、競争原理が働けば当然に価格破壊が起こる。(価格破壊がサービス低下を伴わないのであれば)これも一般市民にとって有益だ。

 前回のコラムに書いたように広告を打ち出すには「実力」を伴っていなければいけない。それが大前提ではありますが、実力ある司法書士は大いに広告を出してください。  (三岡 陽)
 
 

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