コラム
債務整理の現場から⑤ ~他人のための借金により自己破産~
2008/08/11
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依頼人は20代前半の男性。現在はアルバイトをしていますが、数年前まである会社に勤めていました。そのとき、その会社の社長が依頼人にサラ金のカードを作ることを依頼しました。「借りたものは自分で必ず返す、お前に迷惑をかけることはないから」という社長の言葉を信じ、依頼人は自分名義のカードを作り、社長に渡しました。
その数ヶ月後、社長は失踪。失踪する前日、社長は依頼人にカードを返却してきたので、もう借金はないんだろうなと思っていたそうです。各社から依頼人に対し、督促状が殺到。ここまでは③でご紹介したケースに似ています。しかし、社長の行方はまったくつかめません。
依頼人は、とても真面目な性格で、「自分の不注意で作った借金なので、返せる範囲で返していきたい」という意向を持っていました。しかし、社長の取引期間が短かったので引き直し計算によっても借金はほとんど減らなかったため、私は彼に自己破産をすすめました。
静岡地裁に自己破産を申立て、数ヵ月後、依頼人の負債は完全にゼロになりました。「いい勉強になりました」と依頼人は言いますが、これはパワーハラスメントの一種。依頼人は被害者です。