コラム
相談) 不動産賃貸借の連帯保証人が死亡したら
2008/09/12
『数年前、ある人がアパートを借りるときに父が連帯保証人になった。先日、父が死亡したけど連帯保証人の地位を私が引き継がなきゃいけないの?』
相続は、死者の財産上の権利義務を包括的に承継することですので原則として連帯保証人という地位も相続されます。しかし、これには例外があって、継続的保証については相続の対象とはならないケースもあります。
信用保証(継続的な売買・銀行取引などから生じる不特定の債務の保証)、身元保証などは相続されないと思われます。これらの保証は、保証する債務にほとんど際限がないようなものです。わかりやすく言えば、保証される人の債務はどこまで膨らむかわかりません。そして、これらの保証は亡くなった保証人と保証される人の信頼関係を基礎とするものであり、保証される立場にあった人と信頼関係にあるわけでもない相続人がその地位を引き継ぐのは酷であるからです。
しかし、不動産賃貸借の保証人としての地位は相続されます。同じ継続的保証でも不動産賃貸借から生じる賃借人の債務の保証は、保証債務にある程度の予測がつきますし、保証関係について人的信頼関係による面が少ないものであるからです。
したがって、ご質問のケースは連帯保証人の地位を相続する、という回答になります。